快適な運転と、スクエアボディーを最大限に引き出す。

スペックF1

デモカーSPEC FINAL コンセプト

プラド専門店には過去6台のデモカーの歴史がある。

ナローボディというシルエットを全国的に知らしめた「SPEC V」から、カスタムシーンの最前線でもあり戦闘的スタイルを生み出した「SPEC M」まで全て私たかぎが考案してきたデモカー達だ。

そんな中で次なる1台は、時流のワンスタンス先をめがけ、78プラドのポテンシャルを最大限に引き出したスタイルにしたいと考えた。

各ジャンルからカスタムトレンドを取り入れ、78プラドのスクエアボディで融合させる。

7作品目になるデモカーは、私たかぎの集大成にすることと決定した。

その名も「SPEC FINAL」

そもそも車のカスタムというものは自己満足が一番ではないか。

だったら、大半の人が「いいね!」とクリックしそうなスタンダードよりも、ずば抜けた何か、想像以上の何かがあった方が理にかなっているのではないか。

プラド専門店だからああしなきゃ、デモカーだからこうでなきゃ、という理由は全く取り入れず、回りの評価にも興味を持たない。

その上で快適に運転ができて、一つ一に独自のこだわりがあって、世の中に無い独創的なプラドを創ることだけを考えた。

よって今回のデモカー「SPEC FINAL」は、私たかぎが考える思うがまま、あるがままのわがままな仕様を自分流に貫いた一台だ。
スペックF2

BODY COLOR TUNE

「SPEC FINAL」最大の特徴は~ミッドナイトオパール~

「R35 GT-R Special edition」 専用カラー (世界限定100台販売)
プラドファンの皆様は上記R35GT-Rという車をご存じだろうか?
日産自動車から販売されるピュアスポーツカーの名称である。
スカイラインと言えば車好きなら聞き覚えのある単語であることは間違いないだろう。
R35のGT-Rからは「スカイライン」と「GT-R」は切り離されそれぞれの車種を指すネーミングに変更になった。
スカイラインGT-Rの歴史は、昭和40年代のハコスカまでさかのぼる。

1964年、当時のレースで最強だったポルシェ904を鈴鹿サーキットのヘアピンで”ハコ”(セダン)のスカイラインが抜き去った。
しかし904を抑えたのはわずか1周だけ、優勝も逃してしまったが、ポルシェの前を走ったことは、当時のメディアやレースファンに大きな衝撃を与えた。
これは「羊の皮を被った狼」と呼ばれるきっかけとなった出来事であり、初代GT-Rの伝説が始まるきっかけでもある。

1969年、通称ハコスカGT-Rが登場した。レースでの勝利を収める為に開発されたこのハコスカGT-Rは、当時のレーシングマシン「日産R380」の専用エンジンを
市販車向けに改良、搭載したもので当時最強の性能を発揮していた。
1970年の改良でボディは2ドアハードトップに改良され、軽量な車体、旋回性能の向上により1972年までのレースでは通算52勝の金字塔を打ち立てた。

1972年、「ケンとメリーのスカイライン」というキャッチコピー登場したC110スカイライン。
通称ケンメリと呼ばれ幅広いファンをつかんだ。最も印象的なのは現行のR35GT-Rに至るまで採用されている丸型4灯テールランプである。
その中でケンメリGT-Rは、排ガス規制が強化されたことが原因で、わずか4ヶ月で生産が中止、累計生産台数はわずか197台と幻のGT-Rである。
そしてサーキットに登場しなかった唯一のGT-Rでもあり、悲運のGT-Rとも言われている。

1989年、280PSを発生するRB26DETTの最強エンジンと、アテーサE-TSという最先端4WDシステムで武装した新しいGT=Rが誕生した。
これがケンメリGT-R以来16年ぶりに「R」の冠を与えられて登場したGT-R、R32スカイラインだ。
当時のGr.Aというカテゴリーのレースでは、デビューから最終戦まで29戦29連勝の不敗神話を築き上げ「GT-RにはGT-Rでしか勝てない」と言われたほどだった。

後にR33スカイラインGT-R、R34スカイラインGT-Rと最強の血統を受け継ぎ、新しいジャンルのスーパーカーであるNISSAN R35GT-Rまで進化を続けてきている。

「SPEC FINALとGT-R」

まずは私自身、ランクルもさることながらGT-Rの歴史、そして性能に惚れ込んでいる点、そして実際にR32GT-Rを所有している事が最大の理由だ。
どの時代のGT-Rもその分野では最強であり続け、ランクルと同じような強烈な個性を放ってきた。

まさに最強には最強の個性を共存させたかったのである。

クルマとしての性格、走るステージ、利用される目的はまさに真逆の両車ではあるが、長い歴史の中で常に「最強」であることに変わりはないのだから。

お気づきの方も多いかと思うが、当社歴代デモカー、コンセプトカーにはGT-Rのカラーリングを纏ったプラドを実在させている。

SPEC V R32GT-R ブラックパールメタリック
ノスタルジックPK R34GT-R Nul ミレニアムジェイド
SPEV R R35GT-R ハイブラントレッド

そこで今回、デモカー「FAINAL」にふさわしい別格な「個性」を宿すために、全世界で販売が100台という超プレミアムでありながら最新最強なR35GT-R専用カラーを使用する事に決定した。
スペックF3
「ミッドナイトオパール」

R33GT-Rのイメージ・カラーとして「ミッドナイトパープルⅠ~Ⅱ」、R34GT-Rでは「ミッドナイトパープルⅢ」があり、Ⅰ~Ⅲまで輝きを増しながら限定モデルにのみに採用されてきた。
「ミッドナイト」系はマルチフレックスカラーと呼ばれ、その大きな特徴は、見る角度により色合いが変化し強烈なインパクトを示す事ができる。
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そして今回、さらに進化したミッドナイトオパールは「宝石の持つ無限の奥行きと色の多面性を表現」し様々なシーンで様々な色彩を生み出すという。見る角度、光の当たり具合によって、ダークパープル、ダークメタリックグリーン、ダークゴールドと、昼夜そして屋内外で様々な変化を醸し出す。
派手すぎず、地味すぎず、まさにオーラをも感じるボディカラーに仕上がった。
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しかしながらこの上質で美しい色彩を生み出す塗装技術は塗装工の誰しもができるわけではない。
よって充分な工期をもとに、当社のオールペイント業務を10年来から携わっている匠の手によって施工されている。

ミッドナイトオパールでオールペイントされた78プラドは、全世界を見ても「SPEC F」だけであろう。
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EXTERIOR TUNE

ドライカーボン調のラッピングパーツ

マルチフレックスカラーのミッドナイトオパールのボディの隅々には、カスタムシーンでは定番のドライカーボン調のラッピングパーツを装着した。
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カーラッピングは、クルマにフィルムを貼ってボディカラーを変えるまったく新しい概念のドレスアップサービスであり、ヨーロッパ、アメリカでは10年ほど前から行われている。
特にフェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ、ベントレー、メルセデス・ベンツ、BMWといった高級車オーナーが、車体色を変えて楽しむ新しい車文化になってきた。
「SPEC FINAL」はミッドナイトオパールのボディにドライカーボンのラッピングでアクセントを入れ、トータルバランスでモディファイを加えている。
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マッド系のカラーリング

標準のメッキパーツにはマッド系のカラーリングを施工した。これもミッドナイトオパールをベースに、限りなくブラックに近づける特殊配合を施し、光の加減ではダークベージュ、ダークパープルに変化させるペイント技術も取り入れられている。
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INTERIOR TUNE

イージーグラフィックにてレーシングカーボンのインテリアパネルを採用

ブラックを基調としたインテリアは、イージーグラフィックにてレーシングカーボンのインテリアパネルを採用。
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ドアトリムのアームレストには、マッドブラックのペイントを施し、ドライカーボンシートでドアトリムを張替えを施工。
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さらにドライビングシート、ナビシートの2脚には、レカロシートをインストールし、正確なドライビングポジションの確保を可能にした。
スペックF12
レカロSR-3をベースに、ブラックフェイクレザーにレッドステッチ仕様、ハコスカのシートを思わせるレトロカスタムで単なるパーツ交換だけに留めなかった。

このレカロシートは人間工学に基づき設計、製作されていて、ロングドライブの疲労軽減、腰痛対策にも効果を発揮する。
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完成したのは2016年9月中旬。

すでに9月19日の四国ミィーティングでは香川の地でファーストランを飾らせてもらった。
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これからは来店される皆様の試乗車、そして当社のデータ採集のテストカーとして活躍してもらう予定となっている。

当社に足を運ぶ機会があればぜひ本物の乗り味、そしてボディの色彩をその目で確かめてほしい。